私たちのからだは細胞でできています。その数、新生児で約2兆個、体重70㎏の人で約40兆個。受精卵は1個の細胞でできています。
細胞内は細胞質とミトコンドリアに分けることができ、それぞれが異なった代謝の役割を担っています。今回のポイントは「ミトコンドリア」。ほとんどの細胞に存在していますが、実はこのミトコンドリアが「代謝の要」なのです。
ミトコンドリアの仕事は食物から得た糖、アミノ酸、脂肪酸などの栄養をエネルギーや他の代謝物に変化させる「食べた物をエネルギーにして燃やす」ことです。そしてこの作業を行う際、ミトコンドリアは酸素を消費し二酸化炭素を放出する細胞レベルでの「呼吸」をおこなっているのです。
つまり細胞1つ1つに酸素を行き渡らせ、代謝やパフォーマンスアップを行うのには私たちが普段から正しく呼吸ができていることが大前提ということです。
ピラティススタジオトアーではマンツーマンレッスンの際、必ず呼吸の確認を行います。肺の膨らみ、鎖骨や背中の広がりなど細かく見ていきます。実際、呼吸の浅さを自覚している方も少なくありません。こういった方は呼吸の練習をしていただくだけでも体の動きを引き出せる可能性があります。
ピラティスは呼吸を大事にしているエクササイズ。肺に酸素をきちんと送り込むことができると、その周辺の筋肉や骨の動きが出て体全体が動きやすくなります。そして何よりミトコンドリアへのアプローチにもつながります。
皆さんは深い呼吸はできていますか?せわしない年末がやってきます。ぜひ目をつぶってご自分の呼吸をゆったりと感じてみてください。